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甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)。日本百名山の一つであり、前々からずっと気になっていた山である。
なぜかというと、まずコブシ、という名前の響きがカッコいいし、山梨、長野、埼玉の3県の境界にあり、甲州、武州、信州の頭文字を取って名付けられた、という由来もニクい。
山の形が手の拳(こぶし)に似ているから、という説もあるそうだが、この由来は後付けだろうと勝手に思っている。
朝3時に起床。急いで着替えて準備して、3時半に家を出る。
コンビニでパンとおにぎりとお茶を買い、3時45分、タイムズのパーキングに到着。
カーシェアの車に乗り込み、出発だ!
3時55分に中央自動車道に乗る。何とか高速の深夜割引に間に合った。
5時45分、西沢渓谷駐車場に到着。
無料駐車場だが、この寒い時期の平日であれば、満車になることはまずないから安心だ。
付近の電光掲示板を見てみると、気温はー10℃。容易に凍死できるレベルだ。
まだ辺りは真っ暗なので、6時半にスマホのアラームをセットして車の中で仮眠をとる。
6時半にアラームが鳴り一旦起きるも、10分だけ二度寝。
6時40分、今度こそ起床。
支度をして、6時50分登山開始だ!

いつの間にか、すっかり辺りは明るくなっている。
最初は20分ほど林道を進む。

甲武信ヶ岳登山道入口。
甲武信ヶ岳に登るには、近丸新道と徳ちゃん新道と2つのルートがある。
左の道を進めば徳ちゃん新道、右斜め上の急登を登れば近丸新道。
なんとなく、近丸新道の方が名前的に距離が短そうなので、近丸新道から登ることに。

砂の斜面を通ったり、枯葉に埋もれながら進んだり、序盤は登りはそこまできつくないものの、ひどい道が続く。
特に枯葉に埋もれたは、地面が見えないため結構危険だ。

枯葉に埋もれながらしばらく進むと、沢が見えてくる。ヌク沢という名前だそうだ。
滝の方を見てみると、凍っていた。道理で寒いわけだ。

沢を超えるとかなりの急登が続く。ここまでの道は割と平坦だったが、ここにきてそれが恨めしく感じる。
しかも、石がゴロゴロしていて歩きにくい。

やっとの思いで徳ちゃん新道との合流地点に到着。
近丸新道は、枯葉で足場は悪いし、沢を越えてからの急登がきついし、けっこうハードな道だった。
徳ちゃん新道もきっと似たような道に違いない。帰りは徳ちゃん新道から下りてみよう、そう思いながら先に進む。

樹林帯の中をひたすら登る。
この山では、周囲の山を眺めながら気持ちのいい尾根線を歩く、なんてことは期待してはいけない。
なぜなら、山頂までひたすら樹林帯が続くのだ。
そんなことも知らずに、いつか稜線に出ることを信じながらひたすら登り続ける。

急に植生が変わる。背丈の低い木が生い茂っている。なにやら葉っぱもたくさんあって、一言でいうと邪魔だ。
後から分かったのだが、この植物はシャクナゲと言って5月の下旬ころにはきれいな花が咲き、見ごろを迎えるそうだ。
しかし、12月の今にあっては何の関係もない。ただ歩きにくいだけである。

再び樹林帯。眺望はほとんどない。
しかも、浮石が多くて歩きにくい。

たまに眺望のいい開けた場所にでる。
この山にあっては、こういった景色はわずかしか見れず、とても貴重だ。
きれいな景色を見ると、急に元気が出るのは本当に不思議だ。

標高が上がると、雪がだいぶ残っている。
一応チェーンスパイクは持ってきているが、この程度だったらまだ使わなくても行けそうだ。

分岐点。右に行くと破風山。左が木賊山(とくさやま)、甲武信ヶ岳だ。

10時10分。先ほどの分岐点から5分ほどで木賊山に到着。
とても狭い山頂で、樹林帯の中にあり眺望はほとんどない。

山頂にはひとつベンチがあるくらいで、他は何もない。
さっさと甲武信ヶ岳に向かう。
ようやく甲武信ヶ岳が見えてきた。綺麗な三角形の山だ。土砂崩れの跡が特徴的だ。


途中、甲武信小屋に立ち寄る。結構大きな山荘だ。
残念ながら11月末で営業は終了しており、閉鎖されていた。
甲武信ヶ岳バッジが欲しかったが、買えなかった。

最後の登りだ。これを登れば、ようやく甲武信ヶ岳山頂だ。

10時40分。甲武信ヶ岳登頂!
何と甲武信ヶ岳の山頂からは、43座の日本百名山が見えるみたいだ。
でも、富士山くらいしか分からず…
とにかく寒すぎる。たまたま山頂にいた登山客から聞いたのだが、現在の山頂の気温はー8℃だそうだ。

富士山も綺麗に見えた。

あれは多分八ヶ岳だ。
ちなみに甲武信ヶ岳の山頂から30分ほどで、埼玉県最高峰の三宝山(2483m)に行くこともできるが、今回はパスした。
三宝山は、次回の楽しみにとっておこう。(本当は寒くて早く下山したいだけ)

ということで、寒いので下山することに。
甲武信小屋から木賊山の巻き道が分岐してるので、下りは木賊山の巻き道を経由することに。

そして下りは、徳ちゃん新道ルート。
きっと、近丸新道と似たような道だろうな、なんて思いながら徳ちゃん新道の尾根線を進む。

約10分くらい徳ちゃん新道を下る。
そしてここで異変に気が付く。
あれ?あまり石がゴロゴロしていないし、歩きやすいぞ!?

なんと徳ちゃん新道は、綺麗に整備されていてとても歩きやすい道だった。
近丸新道とは雲泥の差だ。
なにが「近丸新道の方が名前的に距離が短そう」だ、と自分の浅はかさに呆れる。

廃屋が見えてくる。西沢山荘と言って、今は営業していないが昔は山小屋だったそうだ。
結構大きくて立派な建物だ。

徳ちゃん新道登山口。入口からして、明らかに近丸新道よりもきれいで整備されている。

ヌク沢に寄り道。滝が凍っていて綺麗だ。

13時10分。西沢渓谷の駐車場に到着。無料で使えるのがうれしい。
距離は15キロ、地図上のコースタイムは9時間となかなかのロングコースだ。
徳ちゃん新道の方が道が整備されていて登りやすいので、特に初心者の方は徳ちゃん新道から登ることをおすすめする。
しかし、どちらのルートで登っても、眺望もないまま山頂までひたすら登りが続くので、気持ち的にはなかなかしんどいモノがある。
また、今回は使わずに登れたが、厳冬期(だいたい1月~3月)はアイゼンが必須である。
日帰りで登るのなら、日が長い夏の時期がいいだろう。
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