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6:00 起床
朝ごはんのパンを食べ、空を見上げる。
雨は降っていないものの、相変わらずの曇天。
ガスがかかっていて、阿弥陀岳はもちろん、赤岳すら見えない。
山頂まで登ったところで、眺望は期待できないだろうと思いつつも、せっかくここまで来たのでせめて阿弥陀岳と赤岳には登って帰ろう。
6:30 登山開始
何も考えず登山道をひたすら登る。さっさと登ってしまって、帰りに温かい温泉に入ろう!
そんなことを考えながら約1時間ほど登り続ける、ようやく尾根線に到達した。
その時である。

少し雲が晴れた。富士山がうっすらと見える。
今回の登山で周りの景色が見れるのは、今この一瞬だけかもしれない、とうっすらと見えた富士山を目に焼き付ける。
思いとは裏腹に、段々と南の空が明るくなってくる。
これは…、ひょっとすると雲が晴れるぞ!
一縷の望みを抱いて山頂を目指す。
そして、8:00
阿弥陀岳山頂到着!

北方は相変わらずガスがかかっていて何も見えず。
一方で南に視線を移すと、

おお!南アルプスが見えるぞ!
雄大な南アルプスに目を奪われる。
まだ南アルプスには行ったことない。今年の夏、北だけに登る計画を立てていたけど、コロナ騒動で結局行けなかった。
来年はコロナがどうなっているか分からないけど、来年こそは行きたいなあ。

西方はすっかり雲も晴れて、中央アルプスが遠くに見える。
中央アルプスにもまだ行ったことはない。
木曽駒ケ岳、空木岳、宝剣岳、個人的に中央アルプスの山の名前はカッコいいものが多いと思う。

南アルプスと中央アルプスのコラボ。(左が南アルプス、右奥が中央アルプス)

北方の視界はあまりよくはないが、これから登る赤岳はしっかりと見える。

ときおり雲が晴れると、その奥に横岳と硫黄岳も見える。
ここでとある決断をする。
よし、当初の計画通り硫黄岳まで行こう!

登山の楽しみは人それぞれだが、私の場合は8割が景色だ。
だから、登山のテンションの8割が天気に左右される。
こんな素晴らしい景色を見せつけられて、赤岳でさっさと下りるなんてそんなことできるはずがない。
そう思ったとたん、急に足取りも軽くなるから不思議。

とはいっても、今日の天気予報は終日曇り。またすぐにガスがかかってしまう可能性の方が大きい。
晴れているうちにせめて赤岳まで行こうと、自然と急ぎ足に。

9:10 赤岳山頂。若干曇っているものの、まだ青空は見える。

赤岳天望荘へと続く道は人がたくさん。
さあ、晴れているうちに急いで横岳へ!

10:40 横岳。
横岳に着くころには、残念ながらまたガスがかかってきてしまう。

現時点でかろうじて硫黄岳が見える程度の眺望。
これでは硫黄岳に着いた頃には、さらにガスが濃くなり、きっと何も見えないに違いない。
天気が悪くなるにつれてまた迷いが。
このまま赤岳方向に引き返して地蔵尾根を下るか、硫黄岳まで進むか…
というのも、2つ懸念していることがあったのだ。
1つ目は、そもそも当初は阿弥陀岳と赤岳で下山する予定であったので、あまり水分を持ってきていないことだ。
硫黄岳まであまり残りの水がない。このまま進むと、途中で水分が足りなくなってしまうだろう。
2つ目は、テントが行者小屋にあることだ。
硫黄岳まで行ってしまうと赤岳鉱泉に下山してしまう。そうすると、赤岳鉱泉から行者小屋までまた戻って来なければならなくなる。
体力的にも、結構きつそうである。

どうしようかと迷っていると、同じくらいのペースで登っていた行きずりの山ガールに遭遇。
山ガール曰く、「硫黄岳はそんなにきつくないから、戻るより進んだ方がいい。戻るも進むも、時間的にはそんなに変わらない。」と。
で、結局その山ガールと一緒に行くことに。

案の定、天気は下り坂。空の9割は雲に覆われてしまっている。

11:30 硫黄岳山頂。
景色は一切見えず。
懸念材料の一つであった水分問題は、硫黄岳山荘で水を購入することで解決。
できるだけ山荘で水は買わないようにはしている(値段が高いから)ものの、緊急時は仕方がない。
むしろ、こんな山の上でお金さえあれば水が買えることはとてもありがたいことだ。

山ガールの言っていたように、硫黄岳の山頂へはなだらかな道が続いており、とても歩きやすい。
横岳のゴツゴツした岩の道とは大違いだ。
たしかに、これなら横岳で引き返すよりも硫黄岳に進んだ方がよかったような気がする。
くだんの山ガールとは、赤岳鉱泉で別れを告げ、私はテントのある行者小屋へ。
赤岳鉱泉から行者小屋への道は、意外としんどかった。
行者小屋の方が標高が高いため、基本的に登りが続くのだが、なかなか勾配がきつかったりする。
とはいえ、テントを担いでぐるっと縦走をするのも現実的ではないので、これは仕方のないことなのかな。

そんなこんなで、13:50 行者小屋に到着。
天気は相変わらずの曇りであったものの、一瞬だけ赤岳が見えた。
ついさっきまで、あの山のてっぺんに自分が立っていたと思うとなんだか不思議な気分である。
テントを片付け、また南沢を延々と歩いて赤岳山荘まで戻り、さらに美濃戸口まで歩くのかと思うと正直しんどいが、これも登山の宿命。
せめて、通ったことのない北沢ルートで戻るのであれば、また気分も違ったのだろうが。
帰りは、登りよりはずいぶん楽ではあるが、南沢はなんにせよ距離が長い。
やっと赤岳山荘までたどり着くと、嬉しい出来事が!
なんと、行きずりのおじさんが、赤岳山荘から美濃戸口まで車で送ってくれるとのこと。
知らない人の車には乗ってはいけない、とはいうが、そんなことも言ってはいられない。
丸二日間歩い続け、一刻も早く駐車場まで戻りたかった。
それに、登山家に人に悪い人はいない。(と思っている。)

そんなこんなで、親切なおじさんの車で出発地点の八ヶ岳山荘まで戻る。
八ヶ岳山荘ではお風呂に入れるとのことで、温泉まで向かう気力もなかったのでここでお風呂に入ることに。(500円かかります。)
今回は、1泊2日の行程で南八ヶ岳を縦走したけど、同じ行程を日帰りで登っている人もいて、さすがにそれには驚いた。(前述の山ガールもその一人である。)
今回の登山の一番の反省点は、ザックの背負い方が悪くて早々に肩を痛めてしまったことかな。
もう少しザックを軽量化して楽に担げるように、次回はパッキングや背負い方を工夫をしてみよう。
完

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