
アウトドア活動の幅を広げるためにも、アウトドアにカメラは必携です。
スマートフォンのカメラの性能も格段に上がりましたが、それでもやはり本格的なカメラには及びません。
でも、一眼レフは荷物になるし、何より高い…
そんな時におすすめなのが、コンデジこと、コンパクトデジタルカメラです。
既に持っている人も多いと思いますが、きちんと使いこなせているでしょうか?
いつもAUTOモードで撮っていませんか?
AUTOモードでも十分きれいな写真が撮れますが、せっかくいろいろな機能が付いているので、使いこなしてみましょう!
では、さっそく本題に入ります!
写真を撮る際の大きな要素として、シャッター速度、ISO感度、絞り値(F値)があります。
まずはこれを理解することから始まります。
難しそうに聞こえますが、全然難しくありませんので、大丈夫ですよ^^
シャッター速度
言葉の通り、シャッターが開いている時間の長さのことです。
シャッター速度1/30秒、ISO感度100
シャッター速度1/100秒で撮影、ISO感度200
動いているものを撮る場合、シャッター速度が遅いと左の画像のようにブレてしまいます。
なので、動いているものを撮るときは、できるだけシャッター速度を速くして撮影する必要があります。
しかし、シャッター速度が速いということは、シャッターが開いている時間が短いということなので、その分カメラに入ってくる光の量も少なくなり、画像が暗くなってしまいます。

上の画像は、夜景を速いシャッター速度(1/500秒)で撮影したものです。
ISO感度(後述)は1600まで上げて撮影していますが、それでも光の量が足りておらず、全体的に暗くなってしまっています。
夜景や暗い場所での撮影の場合は、シャッター速度を遅くして撮影しなければ、光の量が足りず、真っ暗で何が映っているのか分からない画像になってしまいます。
しかし、シャッター速度を遅くすると、ブレも大きくなってしまうので、シャッター速度を遅くして撮影する場合は、三脚などでカメラを固定して撮影しなければなりません。
ISO感度(後述)を高くすれば明るくはなりますが、それでは画像にノイズがかかってしまい、やっぱり綺麗に撮影できません。
三脚未使用
三脚使用
どちらともシャッター速度1.3秒で夜景を撮影したものです。
三脚未使用で撮影した画像は、ブレてしまっています。
ISO感度(後述)は100と低い値ですが、シャッター速度が遅いため、充分な光の量があります。
ISO感度
次に、ISO感度について説明します。
ISOの読み方は、イソ、アイエスオー、など色々ですが、イソと呼ぶ人が多いように感じます。
ちなみにISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)のアルファベットの頭文字をとっただけで、特に深い意味はありません。
一体何の感度かというと、デジタルカメラの画像センサの光の感度です。
ISO感度100、シャッター速度1/800秒
ISO感度12800、シャッター速度1/2000秒
上の図を見てみましょう。
ISO感度12800の画像の方が、シャッター速度が速いにもかかわらず、明るく映っていますね。
ISO感度が高いほうが、光の感度が高いからです。
ISO感度が高いと画像は明るくなりますが、その分ちょっとしたノイズにも敏感に反応し、画像に映ってしまうことになります。
ISO感度を高くするとノイズ発生の原因にもなるので、ISO感度は低めの方が良いですが、これも状況によって正しい値に設定する必要があります。
例えば、動いているものを撮影する場合、シャッター速度を短くするのは前述のとおりですが、その分暗い画像になりやすいので、フラッシュをたいたり、状況によっては、ISO感度を通常より高めに設定する必要があります。
絞り値(F値)
最後に、絞り値(F値)です。Fは、焦点という英単語Focusの頭文字です。

絞り値 (F値) のイメージは上図の通りです。
絞り値(F値)が大きいほど、絞りが大きくなり、その分入ってくる光の量は減ります。
F絞り値(F値)が小さいほど、絞りは小さくなり、光の量は増えます。
デジタルカメラでは、F2.0といったように、アルファベットのFで表記されています。
絞り値(F値)を変えることで、カメラに入ってくる光の量が変化するのは直観的に分かりやすいですが、絞り値(F値)にはもう一つ重要な効果があります。
絞り値(F値)2.8で撮影
絞り値(F値) 11で撮影
異なる絞り値(F値)の画像で見比べてみましょう。
1枚目の画像は 絞り値(F値) 2.8で、2枚目の画像は 絞り値(F値) 11です。
画像の明るさがほとんど一緒なのは、ISO感度やシャッター速度をうまく調整しているからです。
注目して欲しいのは、背景のぼやけ具合です。
どちらも画像中央のヘリコプターに焦点を合わせて撮影していますが、 絞り値(F値) 2.8の画像の方が、 絞り値(F値)11の画像と比べて、 背景がぼやけて見えませんか?
これが、 絞り値(F値) の重要な効果で、ピンホール効果と言われるものです。
絞りを絞って穴が小さくなればなるほど、カメラに入ってくる光の屈折が小さくなり、遠くの方まで焦点が合いやすくなります。
目が悪い人が、小さい穴がたくさん開いているピンホール眼鏡をかけるとよく見えるようになる、という話を聞いたことがありませんか?
また、遠くがよく見えない時に、目を細めたりしませんか?
これらもピンホール効果と同じで、カメラの絞りと同じ原理なのです。
絞り値(F値)11の画像のような、奥の方まで焦点があっているときを被写界深度が深いと言い、一方、 絞り値(F値)2.8のような手前の方しか焦点が合っていないときを被写界深度が浅いと言います。
これまでのまとめ
以上をまとめると、下図のようになります。

コツは、ISO感度はできるだけ低めにしておき、シャッター速度と絞り値(F値)で、明るさやブレなどを調整することです。
シャッター速度と絞り値(F値) だけではどうしても画像が暗くなってしまう場合に、最終手段としてISO感度を上げていく、という具合に調整するのが良いでしょう。
設定の方法

私の愛用コンパクトデジタルカメラ、オリンパスのTOUGH6を使って説明します。
AUTO、P、A、C1、C2… とダイヤルにマークがあります。
一つずつ説明していきます。
〇AUTOモード
AUTOは、その名前の通りオート(全自動)モードです。
最適な絞り値、シャッター 速度 、ISO感度、ホワイトバランスなどのすべてを自動で選んでくれます。
何も考えずに、とりあえずシャッターを押しさえすれば、それなりに綺麗な写真が撮れます。
〇Pモード
Pは、プログラムオートの略です。
絞り値とシャッター速度を自動で最適に選んでくれます。なので、設定できるのはISO感度のみです。
PモードでISO感度をオートにしてしまうと、AUTOモードとほとんど変わらなくなってしまいます。
〇Aモード
Aは、 Aperture (絞り)の頭文字で、その名の通り、絞りを優先的に設定できるモードです。
絞り値を自分で選定できます。シャッター速度は自動です。
背景をぼかしたり、画質をコントロールできます。
慣れてきたら、このAモードで色々な写真を撮ってみるといいでしょう。
〇C1、C2
C1、C2は、それぞれ自分の好きな設定を登録しておくことができます。
私のコンパクトデジタルカメラにはありませんが、メーカーや機種によっては、SやMのマークがある場合があります。(一眼レフには必ずあります。)
Sは、シャッター速度優先モードです。シャッター速度を優先して設定できます。絞り値は自動です。
Mはマニュアルモードで、絞り値とシャッター速度を自分で設定できます。上級者向けのモードです。
ちなみに、このTOUGH6は、ほかにもいろいろなモードがあり、ビデオカメラもマークは動画モード、魚マークは水中撮影モード、顕微鏡マークは超近距離での撮影が可能です。

顕微鏡モードで、テントウムシを撮った画像です。
レンズとの距離が1cmの被写体でも鮮明に撮影できます。
SCNは、動いてる被写体や、風景、人物、夜景など様々なシーンに適した設定が選択できるモードです。

SCNモードでは、このようにパノラマ撮影もできます。

SCNモードの設定で、夜景もこのようにきれいに撮影できます。
SCNモードのライブコンポジットモードでは、星空の撮影もできます。

ライブコンポジットモードで5秒間撮影すると、普通の星空が撮影できます。

同じくライブコンポジットモードで10分間撮影すると、このように星の軌跡も撮影できます。
いかがでしたか?
デジカメにはいろいろなボタンがあり、一見して複雑そうですが、思ったよりシンプルだったのではないでしょうか?
一眼レフじゃないデジカメでも、このように結構自由に設定でき、実はなかなか奥が深いんです。
さあ、AUTOモードを卒業して、お気に入りのデジタルカメラで、いろいろな写真を撮ってみましょう!
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