シュラフを買う際に、適応温度でどれを買うか悩んでしまった経験はないだろうか。
シュラフは、中のダウンの量に応じて#0~#7までランクがあり、数字が小さくなるほど中のダウンの量が多くなり、暖かくもなる。(その分重くなり、容積も大きくなって、値段も高くなるが。)

これは、モンベルのバロウバッグ#3というシュラフで、俺が一番よく使うシュラフだ。
このシュラフのいいところは、伸縮性があるところだ。
コンフォート温度が6℃、リミット温度が1℃ 、エクストリーム温度がー14℃。
それぞれの温度についてちょっと解説すると、
コンフォート温度: 一般的に代謝が低く、寒さに対する耐性が低い人や男性よりも寒さを感じやすい女性の方が、リラックスした体勢を保ちながらで寒さを感じることなく睡眠ができるとされている温度。
つまり、寒さを感じることなくに快適に寝ることができる温度ってこと。
次にリミット温度。
リミット温度: 一般的に代謝が高く、寒さに対する耐性が高い人が寝袋のなかで丸まった状態で寒さを感じずに睡眠ができるとされている温度。
これは、寒がりな人は寒いかもしれないけど、着衣を工夫することでまあなんとか寝れるかなっていう温度。
最後にエクストリーム温度。
エクストリーム温度:一般的に代謝が低く、寒さに対する耐性が低い人が、寝袋のなかで丸まった状態で厳しい寒さを感じ、震えを伴いながら6時間まで持ちこたえられるとされる温度。
6時間ならなんとか耐えれるけど、それ以上は低体温や、場合によっては凍死するかもよっていう温度。
よほどの緊急時でない限り、エクストリーム温度で寝るなんてことはまずないと思うので、基本的にエクストリーム温度はあまり考えなくていい。
話は変わって、昨年の年末にこのシュラフを持って山梨県の十二ヶ岳・節刀ヶ岳に登ってきた。


その際に、シュラフで車中泊(エンジンは切った状態で)をすることになったのだが、翌朝の予想最低気温がー7℃。
俺が持ってきていたモンベルのバロウバッグ#3は、コンフォート温度が6℃、リミット温度が1℃だ。(エクストリーム温度は-14℃)
リミット温度の1℃をだいぶ下回るが、エクストリーム温度まではいかない。
厚着をすればなんとかなると思っていた。
上はコンプレッションウェア、長そでシャツ、長そでフリース、ダウンの4枚重ね。
下も、コンプレッションウェアに長ズボン2枚重ねの計3枚重ねというかなりの厚着をして寝ようとしたのであった。
ただ、ここは河口湖のほとりの富士山麓。
日中でも、水場の水がカチンコチンに凍ってしまうくらい冬の冷え込みは厳しい。

車内にいるので風は入ってこないものの、車の隙間から冷気はガンガン入ってくる。
まず、寒くて寝付けなかった。特に首元が寒いのだ。
また、冷気を吸い込むたびにのどが冷える。
幸いマスクをすることで、のどの冷えはだいぶ抑えられたが、首元の寒さはネックウォーマーなどの対策が必須だと感じた。
夜中は、寒さで3時間置きくらいに目を覚まし、小便にも2回ほど行ったが、震えながらもなんとか朝まで耐えることができた。
朝8時、温度計で気温を測ったらー5℃だった。
明け方は、昨日の天気予報通りー7℃くらいまで下がっていたと思われる。
今回の経験を踏まえた上での、シュラフ選ぶ際のポイント。
基本的に登山は3シーズン(春・夏・秋)がメインだけど、冬にも登山をする機会が少しでもあるよ、という人は、#3ではなく#2を買っておいた方が無難。
#2は、ものにもよるがだいたいリミット温度がー4~ー6℃程度なので、冬の低山なら何とか耐えられる。
もちろん、冬の高山に登る場合は#1や#0の厳冬期用のシュラフが必須だ。
一方、冬山登山は絶対にしないよ、という人は#3でいいと思う。
#5~#7は、登山というよりは夏の低山ハイキングやキャンプ用という感じがするので、登山用には個人的にはおすすめできない。
真夏の低山登山なら使えるが、使用範囲がかなり限定されしまうだろう。
結論。必要に応じてシュラフを使い分けるのがベストだが、登山を始めたばかりで最初の1個を買うなら、#2、あるいは#3のシュラフがいいだろう。
シュラフは、大は小を兼ねる、という考え方でいいと思う。
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