前回→ルチノー、アルビノはメスが多い?セキセイインコの遺伝②
この前、友達にハルクインの子が生まれたんだよ!
ハルクインってかわいいよね~
ハルクインの子と結婚すれば、ボクの子供もハルクインになるかな?
確かにハルクインは可愛いな!
目のアイリスリングもないし!
ところでピー太郎、君の両親はどちらかハルクインかい?
ううん、おとうさんもおかあさんもノーマルだよ。
それじゃあ、ピー太郎の兄弟にハルクインはいるかな?
ボクは12羽兄弟だけど、みんなノーマルでハルクインはいないなあ。
うーん、それだとピー太郎がハルクインの子と結婚しても、ハルクインの子供が生まれる可能性は低いかなあ…
ガーン。友達はノーマル同士で結婚したのに、ハルクインの子が生まれたんだよ。
どうしてボクじゃだめなの?
ハルクインは、劣性遺伝なんだ。
だから、ピー太郎がハルクインの遺伝子を持っていなければ、ハルクインの子供は絶対に生まれてこないんだよ。
もちろん、ピー太郎がハルクインの遺伝子を持っている可能性はゼロではないけど、今のところピー太郎がハルクインの遺伝子を持っている可能性はあまり高くはなさそうだなあ。
ハルクインの遺伝
ハルクインは劣性遺伝です。
なので、ハルクインの子供が生まれるには、両親それぞれがハルクインの遺伝子を持っていることが最低条件になります。
例えば、ノーマルとハルクインの組み合わせは以下のようになり、この場合ハルクインの子供は生まれません。
生まれてくる子供はみんなノーマルですが、ハルクインの遺伝子を隠し持ったノーマル(スプリット)となります。
もし、このノーマルの親がスプリットの場合はこうなります。
この場合、子供はノーマル(スプリット)とハルクインが半々の確率で生まれてきます。
なお、ハルクインの遺伝は伴性遺伝ではないので、ルチノーのときのように生まれた子の性別には全く関わってきません。
そして、両方の親がノーマルのスプリットの場合の組み合わせは以下の通りになります。
この場合、両親はともにノーマルですが、4分の1の確率でハルクインが生まれてきます。
うーん、兄弟12羽、だれもハルクインがいないということは、ボクの両親がともにノーマルのスプリットである可能性は低いかな~
そうだな。ちなみに両親がともにノーマルのスプリットで、生まれた子供12羽全てがノーマルになる可能性は、理論上は3.1パーセントしかないぞ。
それじゃあ、ボクの親がノーマルのスプリットとノーマルという組み合わせは考えられないの?こんな感じで。
この場合、ボクを含めた兄弟12羽、みんなノーマルになるよね。
でも、兄弟12羽のうちの半分はハルクインの遺伝子を隠し持ったスプリットになるんじゃないの?
おお、だいぶ遺伝を理解してきたなあ!嬉しいぞ!
そうなんだ、ピー太郎にはまだその可能性が残されているんだ!
もし、ピー太郎の甥や姪にハルクインの子がいれば、ピー太郎もハルクインの遺伝子を持っている可能性があるぞ!
甥や姪は20羽くらいいるけど、ハルクインの子は1羽もいないよ…。
……。
ハルクイン以外にも劣性遺伝は数多くありますが、メジャーな劣性遺伝は、ブルーとハルクインの遺伝です。
なので、どうしてもハルクインの子供が欲しい場合は、ハルクイン同士を交配させるのが一番手っ取り早いです。(その場合、子はすべてハルクインになりますが)